2011年10月

Now a page about "2011年10月" in this blog is displayed.
HOME≫Date:2011年10月

2011/10/30 Sun
本日(2011/10/30)、第24回東京国際映画祭コンペティション部門にて、
『ガザを飛ぶブタ』(シルヴァン・エスティバル監督 サッソン・ガーベイ主演)が、
観客賞を受賞しました。
⇒東京国際映画祭公式サイトのニュース記事はこちら

この作品は、イスラエルのパレスチナ自治区ガザを舞台に、
パレスチナ人の貧しい漁師が、イスラム教でもユダヤ教でも、
共通で穢れた生き物とされる、ブタを釣り上げてしまったことから起こる
ドタバタ喜劇です。

私は、昨年、イスラエルにあるパレスチナ分離壁をモチーフに、
詩を3篇作ったのですが、
その中の2つでは、壁にブタが登場するイラストを描いており、
さらにその1つは、壁の上を飛ぶブタの絵だったので、
この映画のタイトルとの偶然の一致にとても衝撃でした。
映画の中でも、パレスチナ分離壁は登場しています。
(撮影はマルタ島でされたとのことなので、
本物のパレスチナ分離壁かどうかは分かりません。)

3篇の詩は以下の通りです。
⇒See『あの壁がもしカステラだったら If the wall is sponge cake』
⇒See『ブタだって飛ぶかもしれない! Pigs might fly!』
⇒See『パレスチナ分離壁 the apartheid wall in Palestine』

『あの壁がもしカステラだったら If the wall is sponge cake』のイラスト
the_apartheid_wall_02.jpg

『ブタだって飛ぶかもしれない! Pigs might fly!』のイラスト
PigsMightFly


エスティバル監督はチャップリンが好きで、この映画でもチャップリンを
意識されているそうで、言われてみると確かにチャップリンの喜劇のような、
本人は大真面目にやっているんだけど、間抜け、それでいて、
本人はなんとかずる賢くやろうと巧みな言い訳や工夫で切り抜けていくけど、
やっぱりうまくいかずに次々トラブルが降りかかる・・・
そして巧みな伏線(前ふり)・・・
そんな喜劇です。

分かりやすい伏線といえば…
インティファーダ(intifada パレスチナ民衆によるイスラエルへの抵抗運動)で、
喉を潰し、大声を出すことが出来なくなったという奥さん。その次のシーンでは…

最初から最後まで爆笑シーン連続ですが、平和への願いが込められている作品です。
随所に、ユダヤ人とパレスチナ人の交流が描かれています。
個人同士ならこうやって交流できるんですよね。

ガザは、パレスチナ自治区のなかでも、過激派とされるハマスが実効支配しており、
最もトラブルとなっている地域です。
現在のイスラエルで、ニュースになるような危険な話、
イスラエル軍による空爆などは、このガザを対象に行われています。

(同じパレスチナ自治区でも、ヨルダン川西岸地区などは、
エリコやベツレヘムといった世界中から観光客が訪れる観光地もあり、
通常は大きな事件は起きておらず、安全な地域です。
何かお互いを刺激するようなことを行わない限りは・・・
パレスチナ自治区全てが同じように危険なわけではありません。)

そんな最もトラブルの多い地域、ガザを舞台にして、
海から引き揚げられたヴェトナム産の一匹のブタを巡って起こるドタバタ喜劇…
すごい着想ですよね。

カモフラージュのため、羊の毛を被ったブタが歩くシーンは、なんとも可愛いです。

このブタの名前はシャルロットちゃんというそうです。
もちろんメスです。が、映画の中ではオスとして登場します。
(ブタの性別がポイントなんです!)

5匹のブタからオーディションを行って選ばれたそうですが、
監督は初め、あまり可愛くないブタを選ぼうとしたそうです。
しかし、ブタの選考をするうちにブタが思いのほか可愛い動物で、
ブタの可愛さが観客の心を掴むに違いないと考え、
一番可愛いブタを選んだそうです。
ということで、美人のシャルロットちゃん、素晴らしい魅力を発揮します。
(男として、なんですけどね。)

映画の中で、「あれはヴェトナム産だ。間違いない。」という、
根拠ないよね?という断定がされますが、シャルロットちゃんは、
本当にヴェトナム産だそうです。
シャルロットちゃんを、ヴェトナムから撮影地のマルタ島まで、
飛行機で連れてくるのは、なかなか大変だったそうです。

そして、シャルロットちゃんとは別に、なんとスタント用のベイブというブタも
危険なシーンでは登場しているそうです。
どのシーンでしょう?
私もわかりませんが、危険なシーンといっても、あのシーンは直接映ってないし、
とするとあのシーンかな…?

もう一つ、tips。
主人公が乗るオンボロ自転車。自転車のシーンは頻繁に登場するのですが、
あの「お前の自転車なんか、誰も盗まん。」と言われる自転車のお値段は、
なんと3000ユーロ。
見た目はオンボロに、それでいて、機能は完璧なんだとか。
とはいえ、監督曰く、"不思議な自転車"。
ブレーキを握ると、ライトが付き、音を奏でるそうです。

この後、日本で上映される機会はあるのでしょうか。
上映されたら、或いは、DVDになったら是非ご覧になってください!

最後に、この映画がイスラエルで上映された際に、
この映画を見た方から監督が言われたという言葉を記しておきます。

"イスラエルとパレスチナの問題を取り上げる外国の人は、
より暗いメッセージをここに持ち込もうとする。
でもこういったバカげた状況では、笑いが必要なんだ"

※上で挙げた私の3篇の詩は、詩集『敵(かたき)へ贈ろう、ラヴ・レター』にも、
収録されています。


When Pigs Have Wings [ Le Cochon de Gaza ]

Director & Witer: Sylvain Estibal
Cast: Sasson Gabai, Baya Belal Myriam Tekaia & 2 Pigs

⇒Back to "Contents" page

関連記事
スポンサーサイト


2011/10/23 Sun
広い空 拡がる平野 金の風


Click to Read More [関東平野 Kanto Plain]...
関連記事


2011/10/19 Wed
自転車を漕ぎ出すと
日は思いのほか短くなっていて
さっきまでの世界と僕は
今は赫い光の幻想の中

自転車を停めたのは
路傍のコスモスがついに咲いたから
僕はコスモスが好きだ
その不均衡に細い、緑の線が好きだ

コスモスを見ているはずなのに
目に浮かんでくる君の姿
風の中に一人立つ君
それはさっきまでの君の姿

君の大きな瞳は
僕の方には向いていない
風の中に一人立つ少しだけ背の高い君
僕はそれを眺めるだけだ

君は何を見つめているの?
君の心は今どこにいるの?
風の中に一人立つ物言わぬ君
僕はそれを眺めるだけだ

赫い光は次第に弱まって
今は闇の前の一瞬、紫の夢
衣服の隙間に吹き込む風は冷たい
もう季節は変わったのだ

百舌鳥の声が君の姿をかき消した
目の前でコスモスが揺れている
そうか、君はコスモスに似ている
君には秋がよく似合う

急ぎ足の秋は停まることなく
すぐに消えてしまうのだろう
君には秋がよく似合う
あぁ今、秋は君の季節だ


⇒Back to "Contents" page

関連記事


2011/10/15 Sat
あらゆる"理由"は 人間によって作られた
つまり
あらゆる"理由"は 人間によって変えられ得るのだ

Any reasons are made by human beings.
So,
any reasons can be changed by human beings.


⇒Back to "Contents" page

関連記事


2011/10/12 Wed
本当の 思いはいつも
言葉に出来ない
言葉に出来ない
胸に秘めて 思うだけ 思うだけ
あとは風に 託すだけ

Click to Read More [言葉に出来ない can't make it words]...
関連記事


2011/10/07 Fri
美味しいものを食べ終えて
「ごちそうさま!」と言うのが
一番好きだ。

美味しくないものを食べ終えて
「ごちそうさま!」と言うのが
その次に好きだ。

関連記事